動名詞と不定詞
動名詞は動詞を「〜すること」というふうに名詞に変えるものですが、不定詞にも同じ用法があります。したがって、例えば「泳ぐこと」を英語で表すのに swimming と to swim の2つの方法がある、ということになります。
それを文の中で使うときには動名詞と不定詞をどのように使い分けるのかという問題が生じます。動名詞と不定詞とが全く同じ用法であれば問題はないのですが、残念ながら全く同じなのではなく、場合に応じて使い分けをしなければならないのです。
例えば「私は泳ぐことが好きです」という文では、
I like swimming.
と言っても、
I like to swim
.
としても両者の意味はそれほど異なるわけではありません。
しかし「私は泳ぐことを楽しんだ」という内容だと、
I enjoyed swimming.
は問題ないのですが、
(×)I enjoyed to swim.(×)
とは言わないのです。
このように、動名詞と不定詞(の名詞的用法)は意味は同じだが使い方が異なるという特徴があります。そして両者の違いが最も大きく現れるのは動詞の目的語(文型で言えば第3文型SVOのO)として使われる場合です。
このページでは目的語になる場合の動名詞と不定詞の違いを説明したいと思います。
目的語に動名詞や不定詞が来る動詞の分類
目的語に動名詞と不定詞の両方をとることができるのか、動名詞だけなのか、あるいは不定詞だけなのか、ということは個々の動詞によって異なります。それらの動詞をそれぞれのパターン毎に確認します。
・目的語として不定詞のみをとる動詞。
・動名詞と不定詞の両方をとる動詞。
・動名詞と不定詞の両方をとるが、動名詞と不定詞とでは意味が異なってしまう動詞。
以下の動詞については、動名詞のみをとるのですが、これは覚えるしかない種類のことですので昔からこれらの動詞の頭文字をとった語呂合わせが使われています。バリエーションはいくつかあるようですが、ひとつ紹介しておきましょう。
megafeps-da-ico (メガフェプスだ、行こう!)
mind 〜(〜を嫌がる) [ megafeps-da-ico! ]
Would you mind opening the window?
(窓を開けてくれませんか)
(×)Would you mind to open--?(×)とは言わないのです。
ちなみにこの表現は、もし依頼の返事が「いいですよ〜」という場合は "Not at all." や "Certainly not." などの否定表現でなければならない、ということももう一つのポイントです。
enjoy 〜(〜を楽しむ) [ meegafeps-da-ico! ]
She enjoyed talking with his parrot alone in her house.
(彼女は自宅で一人彼のオウムと話すことを楽しんだ。)
give up 〜(〜をやめる) [ megafeps-da-ico! ]
He gave up drinking and smoking when he was twenty.
(彼は二十歳の時に酒とタバコをやめた。)
この表現は個人的な癖や習慣をやめる場合に用いられます。
admit 〜(〜を認める) [ megafeps-da-ico! ]
He admitted stealing fify cars that night.
(彼はその晩50台の車を盗んだことを認めた。)
「認める」という日本語にはいくつかの意味があるように思うのですが、admit の意味は何か都合を悪いことをしてしまったことを認めるという意味の「認める」です。
finish 〜(〜を終える) [ megafeps-da-ico! ]
The captain finished writing the email to Mr.Spock.
(船長はミスタースポックへのEメールを書き終えた。)
escape 〜(〜をまぬがれる) [ megafeps-da-ico! ]
Mr.
Spock escaped being sold to the plantation on the planet.
(ミスタースポックはその惑星のプランテーションに売られることをまぬがれた。)