過去時制(2)
過去時制の用法
過去形はすべての時制の中で一番簡単かもしれません。日本語の過去とあまり感じが違わないということでしょうか。ただ、あえて過去形の難しさを挙げると、我々日本語話者にとっては完了形との区別が難しいということでしょうか。我々は現在完了で表すべきところを過去形で表現してしまったり、過去形でいいのに過去完了を使ったりという間違いをよく起こします。
過去の習慣的行為
My dog sometimes danced to an ABBA song.
私の犬は時々、アバの歌に合わせて踊りました。
過去の経験
She lived in Chang Mai alone when young.
彼女は若い頃チェンマイで一人暮らしをしたことがあります。
過去の動作・状態
I didn't steal the sparrow's nest that night.
私がその夜燕の巣を盗んだのではありません。
Her mother was in the Takarazuka Revue for 2 years.
彼女の母は2年間宝塚歌劇団にいました。
過去の(歴史的)事実
Tokugawa Ienari, one of the Tokugawa shoguns, had as many as fifty-three children.
徳川将軍の一人である家斉は53人の子をもうけた。(これホント)
過去形はざっと以上のように参考書等で分類されていますが、よく考えると、こうした分類は結構曖昧です。例えば上のチェンマイや家斉の例文ですが、私はそれぞれ「経験」と
「歴史的事実」として分類していますが、どちらも「過去の状態」というふうにも解されると思います。アバに合わせて踊る犬も「踊ったことがあった」などとすると(犬ですが)経験ともとれなくもないですね。だから過去形については区別はあまり厳密に考える必要がないと思います。